アンチエイジングという言葉をご存知ですか?日本語でいうと抗老化という言葉になり、加齢による老化を遅らせる、老化のスピードを鈍らせる、というようなことを意味します。

人間を含めあらゆる生物には、老化が起こります。しかし、歴年齢と、生物学的な年齢(見た目や機能の若々しさ)は個体によって差がありますよね。歴年齢が進んでいくのは時間の流れなので誰にとっても平等で、防ぎようのないことですが、生物学的な年齢はなるべく若く保ちたいものですよね。そのための方法や、その研究をアンチエイジング、と呼んでいます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%97%E8%80%81%E5%8C%96%E5%8C%BB%E5%AD%A6

老化、とはなんでしょうか。短くいってしまうなら、加齢による、身体の機能的な衰え、ということになるかと思います。

老化のメカニズムは厳密にわかっているわけではありませんが

遺伝子の変異、損傷(テロメア短縮、発癌)

細胞機能の低下(細胞老化)

糖化反応(メイラード反応)

酸化ストレスの増加(フリーラジカル、活性酸素など)

血管機能の低下(動脈硬化、閉塞)

免疫力低下(日和見感染)

ホルモンレベルの低下

炎症の慢性化

などが老化の要因と考えられています。

これらのうち、防ぎうるものは防ぎ、なるべくいつまでも若々しく居たい。誰もが願う所だと思います。

 

ここで、現在医学的にわかっていることで、老化を進めてしまうもの、老化を遅らせてくれるもの、を私の知る限りのことですが皆さんに紹介したいと思います。

・老化を進めてしまうもの:

  1. 高血圧、高脂血症、特に糖尿病(メタボ)
  2. 喫煙(活性酸素、発癌、遺伝子損傷、肌のしわなどの加齢外見も促進)
  3. 紫外線、放射線(DNA損傷が増える)
  4. 酸化ストレス(活性酸素、フリーラジカル等のDNA損傷物質の増えるような活動)
  5. 慢性炎症(感染症、腫瘍、自己免疫病)
  6. AGEs(糖化たんぱく質:生体内の糖化されたたんぱく質が、細胞老化に大きく影響する)
  7. 高カロリー摂取(総カロリー自体が寿命を短縮)
  8. 運動不足(運動が老化を抑制する)

・老化を防ぐもの

  1. 上記のすべてを減らす活動
  2. 運動
  3. 低カロリー
  4. 筋肉!

老化について、主に「遺伝子で決定されている部分」についての説明ですが、詳しいサイトがあったので紹介します。

http://sugp.wakasato.jp/Material/Medicine/cai/text/subject07/index.html

 

当院およびウェルで取り組んでいるレジスタンストレーニングによる筋量増加は、アンチエイジングに大きく寄与する可能性が高い、と考えています。

・メタボ対策となることで、身体の糖化、血管機能の低下を防ぐ。

・レジスタンストレーニングで分泌される成長ホルモンがアンチエイジング効果がある。

・トレーニングにより、成長ホルモン、男性ホルモンなど、加齢で低下していくホルモンが増加する。

・筋肉量を増やすことはサルコペニアの直接の予防であり、身体の機能は高くなる。

細胞の老化については分かりませんし、過度なトレーニングにより、活性酸素は多く産生されるのではないかというような部分もありますので一概には言えませんが、なによりサルコペニアを予防する点で、トレーニングがアンチエイジング効果に優れている点は明らかだと思います。

成長ホルモンによる効果が、さらに細胞老化をも改善する、というようなエビデンスが今後出てくることを期待しつつ、さらに世の中に筋トレを広め、日本の人々が、実年齢よりもはるかに若々しく、社会参画を高齢になっても続ける、という社会となっていくことに、当院は貢献したい、と考えています。

2017.2.20.加美川クリニック院長