今日は2020年4月8日で、昨日、関東を中心に7都府県に緊急事態宣言が出された翌日ですが、この三次からもCOVID19陽性者がの1例目が検出されました。
感染経路は、やはり東京から帰省した人からと考えられているようですが、ついに来たか、という感じです。
当院は透析患者さんという重症化リスクの高い患者さんが通院しておられるので、現在、治験段階の方法ですが、ツ反を調べ、陰性の患者さんにはBCGを接種することで、重症化予防の方策を取ろうと、全員分のツ反まで終わったところでした。BCGはすでに品薄で、出荷制限されており、10数人分しか入手出来ておりませんので、リスクの高い方から優先して接種するつもりです。
さらに、クラスター発生の可能性がある場であることがわかっておりますので、当院併設のスポーツジム、ウェルを4月半ばから休業といたします。苦渋の決断ですが、三次市内にCOVID19感染者が居る可能性が出てきた以上、休業せざるを得ません。
また、今後透析患者さんの感染疑い、もしくは感染している透析患者さんの透析継続の問題が出てくるので、当院は本来開けていなかった営業時間帯ですが、火木土の午後の透析コースを、COVID19感染患者さん用の透析コースとして準備します。このコースは、医療スタッフ全員がPPE(個人用防護具)着用で業務を行いますが、PPEの資材が入手困難ですので、ゴミ袋や、プラスチック板から、手作りでPPEを作成し、消毒して使いまわしていく体制を整えていくつもりです。
このような地方の小診療所で、資材も不足する中、このような新興感染症に対応していくことに困難は感じていますが、できることをやっていくしかない、というところです。
このCOVID19が終息するころには、この経験を生かしたより良い医療や、仕事環境が達成され、社会がより成熟していくことを期待して、この困難な時期を乗り越えていこうと思います。
繰り返し報道されていますので、皆さんもよく理解されていると思いますが、このCOVID19自体はそこまで恐ろしい病気ではありません。多くの人(80%)にとっては、感染しても少し長めの風邪をひく、くらいの病気です。しかし、リスクのある方は重症化(20%)し、命を失う(2%)こともあります。そして、感染の広がるスピードが速いと、重症化する人が多くなるため、医療資源が足りなくなり、本来救えたはずの命も助けられなくなる、という医療崩壊が起こります。これを防ぐために、感染の広がるスピードを抑えないといけない、そのために、3密を避け、人と会う量を8割削減し、外出を自粛しましょう、ということなのです。
当院も感染を広げず、当院通院中の患者さんを守るため、できる限りのことを行っていきます。
2020.4.8.加美川クリニック院長